考察〈野原にて〉

遠い山の向こうへと繋がる
七色の虹を
その人は背負っていた
重くないですか
と尋ねると
彼はすこし微笑んでから
紺色を私に手渡し
故郷の虹は六色でした
と寂しそうに呟いた
空っぽでいっぱいの野原の上を
風が吹き抜けていく


有ることも、無いことも
大して変わらないのかもしれない


La casa blanca
すべてはそこに
有ったのかもしれません
けれど どうしたら
まだ持ったことのない物の重さを
正確に理解することができるでしょうか


本当は白が好きでした