2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

群青の森から 逃げてきたものたちを ひとつずつ捕まえる 白くやわらかい部分に サインペンで名前を書き込み (神聖なものはすべてKではじまる) ありふれた雑踏の中へと 放り投げていく グラスのふちでは たくさんの人々が あやふやになっている 夜に怯えて…

生贄

あるいは、青春とは生贄のようなもの だったのかもしれない 私たちが、終わりの終わりまで 上手に歩いていくために捧げた 血なまぐさい生贄 それが美しいものだったなんて嘘を 眉一つ動かさずにつけるようになるころ 人々は互いに良く似た顔をしている 私の…

ベゴニアの鉢

窓辺に置いていた ベゴニアの鉢から ベゴニアが生えてきたので 窓の外へ投げ捨てた こうあって欲しいと望んだことが そうなってしまった悲しみ 小さな風がカーテンを揺らす 窓辺が少し寂しい その寂しさに気が付かず 生きてきたわけでもない 割れた植木鉢の…

のまど

いくつもの停留場が いっせいに 羽を広げ 南の方へ渡って行った 停まるべき場所を 失ったバスは 大人たちの口から口へと 走り続けている 高層ビルが突き刺さった 地平線の向こう側 人々はもう 何処にも行けない 気の早いタンポポが 春を待たずに 綿毛を飛ば…

現代詩フォーラムに投稿した詩を、六十個ほど削除した。 ここ一年くらいの物はデータすら残してないので、 もう読み返すこともできない。が、別に問題ない。 (あ、よくよく考えたら、このブログに残ってるわ) 最近、まったく詩が書けない。 いや、書いてい…