シーソー

公園にはシーソーがありました
シーソーの右側には子供たちが乗っています
シーソーの左側には神様が一人乗っています
神様はとても重たいので
子供たちは百人
シーソーは誇らしげに吊り合っています

ある日
もう一人の神様がやってきて
シーソーの左側に飛び乗りました
神様はとても重たいので
子供たちは
宙へ



それから
それっきり



子供たちが消えた公園には
二人の神様だけがのこりました
まだ「かなしい」という言葉の意味を
誰も知らなかった時代のお話です