考察〈海辺にて〉


水平線に帽子を被せている人を見た
世界と対等に向き合うということは
それほど
難しいことではないのかもしれない
子供たちに蹴飛ばされた波が
海の向こうで
砂浜に描かれた絵を消している
(あるいは誰かを暗い海の底へと)


傷つけることでしか
繋がれない時もある
じっと見つめられると
やはり
僕らは無口になってしまう






◇メモ
神様はシーソーの右に
子供たちはシーソーの左に
神様はとても重いので
子供たちは100人

子供たちは帰った
神様はひとりぼっち
「かなしい」という言葉の意味を
正確に発音するためには
まだ幼すぎた