2007-07-26 考察〈駐車場にて〉 霊安室には 色とりどりの車が安置されている 存在とは形ではなく 温度で定義されるものらしい すでに どんな夏の思い出も 語ることのない麦わら帽子の穴に 誰かがキーを差し込む ギアをバックに入れたまま 一人またひとりと この場所から去っていく 存在を失った空間での ここではない何処かへの旅路 世界はいつだって 世界のすぐ隣にある それは そんなに遠いところ じゃないのかもしれない けれど どれだけ速度を上げたとしても 僕らはその場所へ もう たどり着くことはできない